見た目は良いのですが タイマー不動 ナショナルワールドボーイGX

69年に発売され、略同時期にソニーから出されたIC11と共に3バンドラジオのブームの嚆矢となった一台です。 定価は￥15500と結構高めでしたが、プラスチック製のハードケースと世界初？のオフタイマー、数々のギミックが付いていて、IC11よりもコスパは良かったでしょう。 2台を比べるとデザインではソニー、感度は同等、アクセサリー、ギミックの豊富さではナショナル、そして信頼性、耐久性でもナショナルだったのですが、ソニーのデザインと軽さは強力な武器で、同じ位のセールスだったのでは無いかと思います。　 この個体はケース、タイマーも付いていて、全体的にも綺麗な希少な一台で、過去扱った60余台の中でも外観では5指にはいります。但しタイマーが動きません。多分此方のモデルの最初期の型かと思いますが、タイマーの構造上ゼンマイが幾らでも巻ける仕組みで、巻いたまま放置されるとゼンマイにクセが付いて動作しなくなります。こうなると潤滑剤塗布くらいではどうしようもなく、全分解、最悪ゼンマイ交換が必要です。 流石にそこまでする気は起きないし、このモデルのタイマーは煩くて枕元では使えない代物でしたから、そのままにしています。従い抜群の外観のフルセットですが、価格は可成りリーズナブルでしょう。 自作ACコードはお付けします。但し量産品では無いのであくまでご自身のリスクでお使いください。 ここからは爺いの独り言 折角良いものが手に入ったのに完品では無いのは結構残念です。 飾って、普通に聞く分には問題は無いので、タイマーが動かない事に目を瞑れば、お勧めします。